• 錠剤と問診をする医者
  • 悩む男性と薬を手に取る男性
  • 色々な薬と患者に説明する医者
公開履歴
患者に説明する女医

ヘルペスは日本人にとってなじみぶかいウイルスで、感染率も高いのが特徴的です。
ただ、ヘルペスの詳しいメカニズムや予防方法に関しては知らない方も多いので、正しい知識を把握して万が一感染、発症した時に備える必要があります。

性行為をする相手がいないから感染していない、と誤解している方もいらっしゃいますが、セックスや手淫以外も感染ルートになるので注意が必要です。

症状が似た他の性病や性感染症もありますが、口元や性器周りに水ぶくれ、赤いぶつぶつ、リンパ節の腫れ、ヒリヒリ感などの症状が出たらヘルペスを発症した可能性がおおいにあります。
早期発見早期治療のためにも普段から身体の異変は敏感にキャッチするように意識しておくのが理想的です。

ヘルペスの感染経路はどんなものがある?

ヘルペスウイルスは粘膜と接触することでうつる特徴があります。
単純ヘルペスウイルスに感染することで発症する性器ヘルペスは、性行為が原因になることが大半です。
感染経路となる性行為とは、セックスだけではなく口や肛門を使ったセックス、手淫も含まれます。
性器ヘルペスの症状が出ている相手と性的なことをすると、ヘルペスをうつされてしまう恐れがあるので注意しましょう。

たった1度軽く触れ合った程度だから大丈夫、と軽く考える方も多いようですが、1度の性行為でも感染する確率は非常に高くコンドームをしていても完全に予防できるとは限りません。
なぜなら、病変部には大量のウイルスが存在している上、性器だけではなく臀部や肛門、太ももなど身体の広い範囲に棲息しています。

コンドームを装着する時に、病変部である性器に触れた手にウイルスが付着してしまいます。
よほど潔癖症の人間でなければ、避妊具をつける前後に2回手を洗って消毒することはあまりないでしょう。
ウイルスだらけの手で間接的に性器や肛門などの粘膜に触れたことが感染経路になるパターンも珍しくありません。

また、性的な行為以外の感染経路でヘルペスを発症することもあります。
よくあるのが、公衆トイレの便座や大衆浴場のイスです。
間接的とは言え、ウイルスが潜む便座やイスと性器が接触することでヘルペスになってしまうこともあります。
特に男性は洋式トイレで感染することがあるので、男性器の先端が便座に触れないよう細心の注意を払った方が良いでしょう。

恋人や友達、家族で使い回したタオルが感染経路になることもあります。
感染していても自覚がない患者さんは多いので、衛生面を保つためにもタオルの使い回しは避けた方が賢明です。

その他、母子感染する恐れもあります。
性器ヘルペスを患っている母親は、妊娠中5%の確率で赤ちゃんに体内感染させてしまうことが分かっています。
妊娠中、胎盤でヘルペスウイルスが増殖し、赤ちゃんの血液まで移行してしまうと生まれる前からヘルペスに感染させてしまいます。

また、自然分娩で産んだ時、85%もの確率で産道感染するデータも報告されています。
分娩時、病変部のヘルペスウイルスに赤ちゃんが触れてしまうと、この世に誕生した瞬間にヘルペスになる悲劇に見舞われるので親の責任が問われます。
幸い、帝王切開によって分娩すれば母子感染は避けられる可能性があるので、妊婦さんは特にヘルペスの検査を早めに受けてウイルスを保持していることを自覚しなければいけません。

元々女性は男性よりも感染しやすい傾向があります。
アメリカで行われた感染リスクの臨床試験でも、たった1度の性行為でうつる確率は男性の4倍以上女性の方が高いことが判明しました。
女性から男性にうつるより、男性から女性にうつる方が大多数を占めているので女の人は用心するのに越したことはありません。

口唇ヘルペスも性行為でうつりますが、ほおずりや食べ物の口移し、ペットボトルの回し飲みなど日常の様々なことが感染経路になります。

ヘルペスの症状と再発の原因について紹介

単純ヘルペスウイルスは1型と2型の2種類あり、症状が出る部位が異なります。
ヘルペスウイルスに感染した日本人のうち7割から8割は1型、残りの1割以下は2型の患者さんだそうです。

口唇ヘルペスを引き起こす1型は主に上半身の神経節に潜伏します。
一方、性器ヘルペスを引き起こす2型は下半身の神経節に潜む特性があります。

ただ、厄介なのは性行為が多様化した影響もあり2つのヘルペスが明確に分けにくくなってます。
1型ウイルスが性器から検出されることもあるので、区別するのは昔ほど簡単ではなくなっています。

口唇ヘルペスになると口元がムズムズ感、チクチク感など違和感を感じるはずです。
見た目にも口元が赤く腫れるので異常に気づきやすいでしょう。
赤く腫れたところの上に水ぶくれができるのも典型的な症状です。

やがて顎の下のリンパ節まで腫れて熱も出てきます。
キスなど粘膜同士が触れ合う行為を行ってから4日から1週間ほどしてこういった症状が現れたら口唇ヘルペスの疑いが濃厚です。

口唇ヘルペスは何度も繰り返し発症する可能性がありますが、初めて感染した時は重症化しやすいので注意が必要です。
びっくりするほど大量の水ぶくれが口の周りや唇に発生し、口内や喉元まで水ぶくれができます。

40度以上の高熱が出て1週間近く熱が下がらないこともあります。
ひどい口内炎やリンパ節の激しい腫れなど悲惨な状態になります。
2回目以降の発症は軽い水ぶくれなどの症状で済む傾向がありますが、最初の感染は本当に大変なことになるケースが多いようです。

性器ヘルペスの症状も口唇ヘルペスと同じように初発と再発では異なり、初めて感染した直後に発症する場合が重症化します。
感染して2日から10日ほど経過したあと、症状が出始めます。
初めは陰部付近に違和感を感じ、次第に性器付近に水ぶくれやただれなどができます。
男性は亀頭や包皮、冠状溝などの外陰部、女性は性器全体はもちろん子宮頚管や膀胱など身体内部まで症状が出ます。

男性も女性も太ももや肛門、お尻にも病変が広がる可能性があり、初期症状は軽くても強い全身症状が起きることがあります。
陰部の灼熱感や痛みを感じたあとは赤いぶつぶつや水ぶくれができ、発熱や倦怠感などを経験する患者さんもいます。

足のつけ根の鼠径リンパ節に腫れや痛みを生じるケースも珍しくありません。
初感染初発は急性型でしんどい思いをすることになりますが、感染してもすぐに症状が出ずにしばらくしてから発症する場合は軽い症状で済むことが多いようです。
再発した時も症状は重くありません。

ヘルペスの再発原因はストレスや疲労、紫外線などと深く関わっています。
ヘルペスを再発させないためにも、普段からストレスや疲労を溜めず紫外線対策を丁寧に行うことが大切です。
紫外線は夏以外にも年間を通して降り注いでいるので、日中は屋内にいても日焼け対策が欠かせません。

ヘルペスウイルスは薬を使っても排除は出来ない?

一旦ヘルペスになるとウイルスを完全に排除することはできません。
恐ろしいことに、1度ヘルペスウイルスに感染するとウイルスは神経節の奥深くに潜み、薬を使用しても死滅させることは不可能です。
従ってヘルペスの根治治療する方法はありません。

口唇ヘルペスや性器ヘルペスの症状が出て病院に行くと抗ウイルス薬を処方して貰えますが、この薬はウイルスを排除するためのものではなく症状が出ないように抑える目的で使用します。
抗ウイルス薬に頼りながら、生涯に渡りヘルペスウイルスを抑え続けなくてはならないため、そもそも感染しないために全力で予防するのが一番理想的です。

また、ヘルペスに感染、発症してしまった以上抗ウイルス薬を使ってしっかり対応することが重要です。
抗ヘルペス薬を服用すればウイルスの増殖をストップさせることができるので、病変を最小限に食い止めることが可能です。

人体に感染したヘルペスウイルスは細胞の内部で増殖を続け、やがて細胞を飛び出して近くの細胞に再感染します。
ひたすら再感染を繰り返すことでどんどん病変が広がっていきます。

ウイルスが増殖する時、人間の細胞の力でDNAを複製しなければなりません。
そのため、ヘルペスの代表的な抗ウイルス薬の有効成分アシクロビルは、ウイルスがDNA複製できないよう阻害する働きがあります。

薬の服用中はアシクロビルの働きでDNAを複製することができないため、それ以上増殖することも不可能になり病変の進行も食い止めることができます。

ウイルスに作用する薬を飲むのは怖いと感じる方もいらっしゃるかも知れませんが、抗ウイルス薬が働きかけるのはウイルスに感染してしまった細胞です。
正常な細胞には何の影響も与えないので、人体に悪影響が及ぶことはないので安心して下さい。

むしろヘルペスを発症しているのに抗ウイルスを飲まず、病変が拡大する方が身体に良くありません。
ヘルペス発症中は患部がデリケートになっているので、他の性病や性感染症にかかる確率も高くなります。

もっと悲惨な症状が出る病気に狙われやすくなるので、できるだけ早く抗ウイルス薬を服用してウイルスの動きを封じ込める必要があります。
抗ウイルス薬はすぐに服用した方がその分効き目が強くなることが分かっています。

欧米で行われた臨床試験でも、身体に症状が出てから8時間以内に治療を始めると高い効果が発揮されることが判明しました。
反対に、発症後9時間以降に薬を服用してもプラシーボ群と大差ない効果しか出なかったそうです。

プラシーボ群とは、薬の有効性を確かめるために偽薬を服用して比較するための被験者たちを指します。
つまり、症状に気づいてから9時間以上経過してから抗ウイルス薬を使っても病変の拡大を防ぐ効果はあまり得られません。

また、医療機関で処方されるヘルペスの薬はジェネリック以外にバルトレックス、ゾビラックス、ファムビルの3種類ありますが、効き目の強さはそこまで差がありません。
錠剤のサイズや服用回数、値段などが違うので、受診時には種類の違いを確認しましょう。

ヘルペスを潰すのはNG!

性器ヘルペスは患部が性器周りになるので、外出中などは気軽に手を突っ込むことはできません。
ムズ痒くても我慢するしかありませんが、口唇ヘルペスの場合は手が届く場所に水ぶくれができるのでついいじりたくなってしまう方が多いようです。
けれどヘルペスの水ぶくれを潰すのは絶対にダメで、症状がひどくなる可能性大です。

単純ヘルペス1型に感染し、口唇ヘルペスを発症すると4日から7日前後潜伏したあとに唇周りがピリピリしたり痒みを感じます。
最初のピリピリから半日もすれば口唇が真っ赤になり、3ミリほどの水ぶくれが次々にできるようなります。

水ぶくれはかなり目立つので「思い切って潰したい」と考えるのも無理はないかも知れません。
けれど患部の水ぶくれを潰してしまうと、患部も広がり病状の悪化は避けられません。
ヘルペスウイルスが元気になると、身体の中で活発に動き増殖を繰り返します。

症状があらわれてから8時間以内に抗ウイルスを服用するのが最短で症状を抑えるのに効果的ですが、患部に水ぶくれができる時はウイルスがもっとも活発で激しく増殖を続けている真っ最中です。
水ぶくれの中にも原因ウイルスがたくさん詰まっている状態です。
潰すと周りの肌にもウイルスが付着し、恐るべきスピードで周囲に再感染し病変を拡大します。

水ぶくれを潰した指で自分の身体に触れれば、そこから感染する可能性もありますし、人に触りうつしてしまう恐れもあります。
濡れた手を拭いたタオルを家族が使い、二次感染を引き起こしてしまうパターンもよくあります。
子供にもうつるので、親から子へ家族感染しないよう予防しなければいけません。
恋人や友達同士でも警戒する必要があります。

特に肌に傷がある場合、ウイルスは瞬時に狙いを定めて感染先に選びます。
元々ヘルペスを発症している時は身体が弱っている時です。
疲れやストレスが溜まり、免疫力が著しく落ちている時にウイルスが活性化しやすくなります。
身体の抵抗力が落ちている時に水ぶくれを潰す暴挙に出ると、思わぬ二次被害に見舞われることもあるので気をつけましょう。

水ぶくれはやがてかさぶたになりますが、かさぶたになってからも無理に剥がしてはいけません。
かさぶたの表面は乾いていても、内部はまだデリケートな状態です。
かさぶたを強引に剥がしている最中にウイルスが周りへ飛び散る可能性もありますし、患部に跡が残る恐れもあります。

ヘルペスを発症してすぐ薬を飲んでも即症状がおさまるわけではなく、大体2週間は再発症状に泣かされることになります。
嫌な思いをしないように普段から予防対策に効くサプリメントを服用することも大切です。

生活習慣を改めながら予防効果が高いサプリを飲めば、よほど疲れている時や強い紫外線を浴びた時でもなければ再発を食い止めることができそうです。
アミノ酸のリジンを飲む対策も効き目があることが分かっています。

記事一覧
マイコプラズマにミノサイクリンが効くプロセス

ミノサイクリンは広域スペクトル性の、テトラサイクリン系抗生物質です。 テトラサイクリン系の中では脂溶性が高いのが特徴で、組織移行性に優れています。 また生体内における半減期が長いので、体内に長く留まっているメリットがあり […]

2020年03月12日
性病とHIVの因果関係

近年は若い女性などが梅毒などの性病を発症する人が増えていて、梅毒やクラミジア等の性病に感染していると粘膜組織が弱るのでHIVの感染リスクが数倍も高まると言われてます。 クラミジアや淋病に感染していると3倍から4倍、梅毒だ […]

2020年02月04日
オーラルセックスでも性病に感染する

セックスの低年齢化が起きており、10代の若い男女の間でも増えているのが性病への感染です。 日本ではきちんとした性教育が行われているとは言えず、雑誌などで得た間違った性的な知識が広がってしまい、その結果として性病の蔓延につ […]

2019年12月26日
身を守るための性病検査の重要性

性病検査は身体を守るには大変大切なことですが抵抗がある人も少なくありません。 ただ、性感染症を放置すると生殖機能低下などの合併症が起きて身体に負担がかかります。 とくに特定のパートナーや性に対して自由に行っていたりすると […]

2019年11月21日
カンジダの症状と感染経路

カンジダは普段から皮膚に存在するカンジダ菌が異常に増殖した時に発症する病気です。 カンジダ菌は真菌の一種でカビの仲間の菌ですが、全ての人の皮膚や粘膜に存在するため、菌自体は悪さをすることがありません。 しかし、疲れがたま […]

2019年10月14日
淋病の症状と感染経路

淋病は数ある性病の中でもクラミジアに次いで感染力が高く、淋菌に感染してからの潜伏期間が2日から7日で症状が現れ始めます。 感染部位は性器はもちろんのこと喉や肛門、目となっていることから、コンドームを使用しないセックスのほ […]

2019年09月17日
クラミジアの症状と感染経路

日本で最も感染者数の多い性感染症であるクラミジアは症状が現れないこともある病気です。 このことが感染者数を増やしている原因の一つでもあります。 また、症状が軽度であるために放置されてしまうこともあります。 しかし、感染に […]

2019年09月01日
コンジローマの症状と感染経路

コンジローマは、性感染症分野においては尖圭(せんけい)コンジローマ名で呼ばれることが多く、簡単にはウイルス感染によって発生するイボのことを指します。 正確にはヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することで発症し、実は、 […]

2019年08月16日
トリコモナスの症状と感染経路

トリコモナス感染症にはいくつかの種類があり、中でも膣トリコモナスは性感染症の中ではポピュラーな存在です。 トリコモナス原虫を原因としてかかり、厄介なのは男女ともに自覚症状が出にくいことがあります。 また、再発を繰り返すこ […]

2019年07月31日
ヘルペスの薬バルトレックスの効果

ヘルペスというのは人間誰しもその菌を体の中に保有しています。 ストレスを始めとする外的な要因によって症状を発症し、一度発症するとくり返しその症状が現れるようになります。 症状が現れると、始めはニキビのような熱を持ったでき […]

2019年07月11日