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マイコプラズマにミノサイクリンが効くプロセス

2020年03月12日

ミノサイクリンは広域スペクトル性の、テトラサイクリン系抗生物質です。
テトラサイクリン系の中では脂溶性が高いのが特徴で、組織移行性に優れています。
また生体内における半減期が長いので、体内に長く留まっているメリットがあります。
特に経口摂取による生物学的な効能が高く、動物用の医薬品としても多用されています。

そもそもミノサイクリンは天然に存在する類の抗生物質とは異なり、天然テトラサイクリンという物質から合成された物質です。
但し完全合成ではなく、半合成であることが特質の一つです。
一方、感染症情報の中にマイコプラズマ肺炎が多く見られるようになっています。
肺炎まで進行しなくても、気管支炎を患っている人々が大人や子供の区別無く多数存在しているわけです。

マイコプラズマ肺炎の症状としては、初期は発熱だけの場合が殆どです。
それが2~3日経つ頃になると、咳が出始めてきます。
それは次第に頻度が高まってきて、咳の度合いも酷くなる傾向があります。
一般的な風邪のように鼻水が出るような症状はありませんが、咳が酷くなると聴診で肺の中の異音が分かるようになります。
それ故、病院にかかることで早期に病状を確定できるわけです。

病院での診断方法としては、喉に綿棒を挿入して粘膜を採取します。
診断結果が出るまでには15~30分程かかりますが、信頼性は高いものがあります。
但しインフルエンザの迅速診断と比較すると、精度は若干劣ると言われています。
とはいうものの、外来で簡単に病原菌の診断が可能になるのは、患者にとっても病院にとっても相当都合が良いものです。

マイコプラズマ感染症の治療には、一般的に抗菌薬が処方されます。
小児に対しては第一選択薬として副作用の少ないマクロライド系抗菌薬が処方されるわけです。
マクロライド系抗菌薬としては、クラリスやジスロマックなどが挙げられます。
もし2日後に解熱していなければ、テトラサイクリン系のミノマイシンなどが処方されます。
但し8歳以下の小児に適用すると、歯を痛める副作用があるので注意が必要です。

ミノマイシンは通常、皮膚感染症などの治療のために処方されることが多くなっています。
テトラサイクリン系抗生物質の中では、第一選択薬となることが多い薬剤です。
その理由としては生体内半減期が長いことが大きな要因で、一日あたりの服薬回数を少なくすることに繋がります。
何よりもテトラサイクリン系抗生物質に対する、耐性菌にも治療効果を期待できるのが最大の強みだと言えます。

マイコプラズマなどの細菌の注意点

ミノサイクリンが治療適用される有効菌種としてはマイコプラズマ以外にも、ブドウ球菌やレンサ球菌をはじめライム病や歯周病などが挙げられます。
ペニシリンが投与できない場合は、淋病にも効果が期待できます。
その他、梅毒や尿路感染症をはじめ、直腸の感染症などにも治療効果が高いと言われています。
加えてある種類の微生物による、子宮頚部の感染症にも有効となっているわけです。

成人のマイコプラズマ肺炎には、ニューキロノン系抗菌薬が選択肢となる場合があります。
但し治療の最初からニューキロノン系抗菌薬を使ってしまうと、肺結核を見逃してしまうリスクが高まります。
肺結核は結核菌が原因で発症する、重症型感染症です。
かつては国民病とも言われた恐ろしい病気で、不治の病と言われていました。
こうした病気の原因となる細菌は発見が難しいので、治療には十分注意が必要になります。

ニューキロノン系抗菌薬は、マイコプラズマ肺炎以外に結核菌にも治療効果を発揮します。
それゆえ無闇に処方してしまうと、正確な診断の妨げになる恐れがあるわけです。
その結果として感染を広げてしまう可能性があり、結核菌の感受性検査ができなくなるリスクがあります。
実際にニューキロノン系抗菌薬を処方された患者が、一旦は熱が下がったものの再度発熱するケースが少なくありません。
そして結核であると判明するわけです。

マイコプラズマの病原体は肺炎マイコプラズマですが、自己増殖可能な最小の微生物であるのが特徴です。
この病原菌は生物学的に言えば細菌となりますが、他の細菌とは異なって細胞壁を持っていません。
肺炎マイコプラズマは他形態性を示しているので、ペニシリンやセフェム等の細胞壁合成を阻害する蛋白合成阻害薬では治療効果が得られません。
蛋白合成阻害薬で改善できないとすれば、ミノサイクリンを処方することになります。